「嘘つき女さくらちゃんの告白」を書くにあたって
2017-01-20


ちょっと昔語りをしてみます。

昔の知り合いに、虚言癖の人がいました。
生い立ちだったり、仕事の経歴だったり。とても無邪気に、「自分をよく見せるための嘘」をぺろっとつく。


わたしはすごく不思議でした。
だってバレバレなんですよ。
初対面の人はもちろん気づかないから、「凄いなあ」「憧れちゃいます」なんて言っているんだけど、ちょっと長く一緒にいれば嘘だってわかっちゃうんですよ。
一緒に聞いている私が、いきなり「それってこの間の話と違いますけど」って言い出したらどうするんだろう。そういうことを、この人考えないのかなと思ってた。

一回だけ、嘘を私が指摘しちゃったことがありました。
何かの雑談で、その人が、ある小説のエピソードを自分の体験談として話したのですが、私はその小説をたまたま読んでいたので、「あ、それって○○にあった話ですよね」って空気を読まずに言ってしまった。
その人は「え?何言ってんの?ごめんね、この子ってちょっとおかしくて」って、私を変人にして乗り切ってしまいました。まわりは大爆笑。

こういうのって、神経質に設定を作り上げるよりも、その場の雰囲気をつかむことが要なんですね。
学びたくないけど学んでしまった。

で、もっと不思議なのは、
私以外の初対面じゃない人たちも、嘘に気づいているはずなんだけど、そうかそうかって話を合わせているところ。
こういうのって指摘しないもんなんだねえ。
で、指摘しなきゃ、それが事実として何の支障もなく進んでいくもんなんだなと。
それとも、おかしいと思うわたしがおかしいのか?
今でも思い出すと、ちょっと調子のくるわされる感じになります。なんだったんでしょうあれは。


「あの人」はひとりではありません。
今後いずれまた、このテーマで書きたいです。
[回想]

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